私の手を握る鳴海の長い指が小さく動いて、手を撫でてくれる
「でも、、、」
「でもは無し、素直に聞き入れて、ね?」
「うん」
「陽菜、いじめてきたのは今日居た2人だけ?」
そっと握っていた手を伸ばして来て、先生が貼った顔のガーゼを上から優しく触る
傷口が少し熱を持つ、それが怪我のせいなのか、鳴海が触るからなのか、よく分からない
「どうだろう、クラスの人も便乗してたから
そういう意味では"みんな"かな」
鳴海の冷たい手がゆっくり頭を撫でる。
何が、したいんだろう
「そっか、そいつら嫌い?」
「別に、興味無いから嫌いも好きもないかな。
多田くんも栞ちゃんも、少し繊細なだけだよ
話をして誤解をしっかり解けばわかってくれたと思う」
「2人を庇うの?優しいね陽菜は」