「あの時本当は、鳴海に今までずっと裏切られてたって思いたくなかった
だから鳴海に否定して欲しかった

でも、そうしなきゃ私が傷ついて悩んで、苦しむことになったんだよね、、、、」

黙ったまま否定も肯定も弁解もしない鳴海を見て、自分が裏切られた事を肯定しているようにしか見えなくて、私自身が惨めで仕方がなかった
他の恋人をずっと大切に思っている鳴海に対して、本気で向き合っていたのは私だけで、馬鹿みたいで悔しかった

それに気づけなかった私も、嘘をずっとついてきた鳴海にも苛立ちが収まらなくて、「二度と顔なんて見たくない」そう言った事を今、とても後悔している
あれだけ無神経で酷いことを勢いに任せて吐き捨てるように言ったのに、清水さんは指輪をつけたままで居てくれて、蒸し返す様子もなくむしろ謙っている様子すら伺える