その時、冷たくなった恋人の手を握って決意した
同じ方法で殺して、彼女の痛みを水野会の連中にも味あわせてやると、その家族も全員巻き添いにして苦しませてやると決めた

その日、何度か捜査協力を頼んでいた彫り師の元に向かって、彼女の愛称のリリーの名の入った花で、地獄花とも言われる彼岸花を背中に彫った
赤い彼岸花の花言葉は"悲しい思い出"、"想うはあなた一人"

一生消せない罪、後悔と懺悔
彼女だけを想う事を誓って、背中に入れた覚悟

一緒に耳に穴を開けて、両耳たぶに2つづつピアスが入るように穴を開けた

この痛みが、今が現実だと伝えてくれる
空っぽな僕にとって、心地のいい痛みだった