帰ってくるか分からない、連絡もない鳴海がもし突然帰ってきた時に、謝れるようにはしたい

本を読んでいる最中に着信音が鳴って、急いでスマートフォンを手に取れば、画面には【植田 和樹】と表示してあって、迷わず電話に出る

『乾が病院に運ばれたから来て欲しい』

「病院、、、どこの?」

『篠崎にある総合病院

迎え行けないから、タクシー配車した
もうすぐ着くからそれの乗ってきて欲しい』

「わ、、、かりました」

いつもと声のトーンが違うことははっきりわかる
鳴海の身に何かあったんだろう
財布とキーケースだけ手に持って寝室のサイドテーブルの引き出しから時計を取ってきて腕に着けて家を出る

タクシーに乗って病院に向かう道中も、何も詳細を知らされていないせいで、嫌な結末ばかりが思い浮かぶ