ある日、国王に連れられた王子は王都にある孤児院を訪れた。

初めて訪れるこういう施設
ちらりと見えた、みすぼらしい格好の子どもたちに良い印象は持たなかった。



"何でこんなところに来ないといけないんだ。"




そんなことを考えながら、王の後ろをただついて歩く。


『子どもたちは外で遊んでおります。』



外に出ると、思わず目を見張るぐらいの子どもがいた。

楽しそうに声を上げながら走り回る姿



『エルシーも混ざったらどうだい?』

『父上、僕は子どもではありません。』


エルシー王子は若干7歳にして、このような言葉を使う子どもであった。




王族である上、周りに同年代が少ないというのもある。


だから、たくさんの自分と同じくらいの子が走り回っているのを見て、子どもだなとエルシーは思っていた。