彼氏がわたしを「ゆみ」って呼ぶたびに、わたしは彼氏に夢中になった。 わたしにだけ効く魔法をあいつは使えた。 彼を探す。見つかる。 心が飛び跳ねる。 彼と目が合う。 胸が躍る。 彼と会う約束をする。 心臓が痛いくらいドキドキいう。 彼が髪に触れる。 何も言えなくなる。 彼が私に微笑む。 他のものが見えなくなる。 彼がわたしを「ゆみ」と呼ぶ。 この時が永遠に続くと信じる。 それはたぶん、いや、絶対に、魔法だった。