わたしを「ゆみ」と呼ぶ彼は、わたしの髪を見るといつも言った。 キレイな髪だな。 まっすぐで黒くて。 オレ、長い髪って好きだわ。 ゆみの髪って、なんかイイよな。 だからずっと髪を伸ばしていたのに。 あの人にとって、そんなことはどうでもいいことだった。