「お許しもなく環を連れ出して、申し訳ありません」
用意された座布団に座ることもなく、開口一番新太が口にした。
それに対して、副院長は何も言わない。
私は、畳に直に座り両手をついて頭を下げる新太を横目に見ていた。
そう言えば、今日の新太はスーツを着ている。
普段からスーツを着ることもあるから珍しくもないけれど、なぜだろう随分改まった印象を受ける。
「改めてお願いいたします。環との結婚をお許しください」
「新太君」
絞り出すような副院長の声。
しばらく、沈黙の時間が流れた。
「環ちゃんはどうなの?」
黙ってしまった男性陣を通り越して、部屋の隅に座っていた奥様に聞かれた。
「新太が、好きです」
「じゃあしょうがないわね」
「おまえ・・・」
副院長が驚いたように振り返るけれど、なぜか楽しそうに笑っている奥様。
「この人ね、新太君のお父様と親友なの。だから、環ちゃんをとられちゃう気がして悔しいのよ」
用意された座布団に座ることもなく、開口一番新太が口にした。
それに対して、副院長は何も言わない。
私は、畳に直に座り両手をついて頭を下げる新太を横目に見ていた。
そう言えば、今日の新太はスーツを着ている。
普段からスーツを着ることもあるから珍しくもないけれど、なぜだろう随分改まった印象を受ける。
「改めてお願いいたします。環との結婚をお許しください」
「新太君」
絞り出すような副院長の声。
しばらく、沈黙の時間が流れた。
「環ちゃんはどうなの?」
黙ってしまった男性陣を通り越して、部屋の隅に座っていた奥様に聞かれた。
「新太が、好きです」
「じゃあしょうがないわね」
「おまえ・・・」
副院長が驚いたように振り返るけれど、なぜか楽しそうに笑っている奥様。
「この人ね、新太君のお父様と親友なの。だから、環ちゃんをとられちゃう気がして悔しいのよ」



