とにかく今はまだ夜中だからと、先生に押し切られ泊ることにした。

「本当にソファーでいいんですか?」
向かい合うソファーに窮屈そうに横になる先生に申し訳なくて言ったのに、
「仕方がないだろう」
不機嫌そうな返事。

もう一度朝まで寝ましょうとなった時、先生は私に寝室のベッドを使うようにと勧めてくれたけれど、さすがに私がベッドで先生をソファーに寝させるわけにはいかないと拒否した。
私としては先生にベッドで寝てもらい自分はソファーで眠るつもりだったのに、そこは先生も譲らなくて、結局2人してリビングのソファーにそれぞれ横になることに。

「せっかく大きなベッドがあるのにもったいないじゃないですか」
自分の家のベッドなんだから使ってくださいと訴えるけれど、
「じゃぁお前が使えよ」
皆川先生らしくもない返事が返ってくる。

さっきから私はお前と呼ばれ続けている。普段はそんな呼び方はされないから、きっとそれだけ怒っているってことなんだろう。

「あーそうだ、良い解決法があるぞ」
思い出したように声を上げた先生に、
「なんですか?」
私は体起こして身を乗り出した。

「2人で一緒に寝るか」
「はぁー？」
すごく間抜けな声を上げてしまった。