それからしばらく、私はリビングの床に正座のままソファーに座る皆川先生と向き合っていた。
「タクシーの中でいきなり吐いたんだぞ」
「えぇ」
嘘でしょ。お願い嘘だと言って。
「急いでタクシーを止めたけど間に合わなくて、俺の上着もお前の服もドロドロになった。何とかタクシーを汚す事はなかったが、運転手にはかなりにらまれたんだ」
「それは、申し訳ありません」
再び土下座の姿勢になって頭を下げた。
酔っ払ってタクシーの中で吐くなんて最悪。でも酔っていた私よりも介抱していた先生の方が大変だっただろう。本当に申し訳ない。
「さすがにそのまま副院長の家に連れて帰るわけにもいかず、とりあえず俺のマンションに連れてきたんだ」
「ありがとうございます」
家に帰っていればきっと大変な騒ぎになっていた。そう思うと一緒にいたのが皆川先生でよかった。いや、待って、よくないよ。
「だから、勝手に着替えさせたとか文句を言うなよ」
あー、やっぱり先生が着替えさせてくれたんだ。
ありがたいし、申し訳ないけれど、やっぱり先生には見られたくなかった。
無意識のうちに私はがっくりと肩を落としていた。
「タクシーの中でいきなり吐いたんだぞ」
「えぇ」
嘘でしょ。お願い嘘だと言って。
「急いでタクシーを止めたけど間に合わなくて、俺の上着もお前の服もドロドロになった。何とかタクシーを汚す事はなかったが、運転手にはかなりにらまれたんだ」
「それは、申し訳ありません」
再び土下座の姿勢になって頭を下げた。
酔っ払ってタクシーの中で吐くなんて最悪。でも酔っていた私よりも介抱していた先生の方が大変だっただろう。本当に申し訳ない。
「さすがにそのまま副院長の家に連れて帰るわけにもいかず、とりあえず俺のマンションに連れてきたんだ」
「ありがとうございます」
家に帰っていればきっと大変な騒ぎになっていた。そう思うと一緒にいたのが皆川先生でよかった。いや、待って、よくないよ。
「だから、勝手に着替えさせたとか文句を言うなよ」
あー、やっぱり先生が着替えさせてくれたんだ。
ありがたいし、申し訳ないけれど、やっぱり先生には見られたくなかった。
無意識のうちに私はがっくりと肩を落としていた。



