「一体何の真似だ?」

パウダールームからリビングに連れ戻され一旦ソファーに座らされたものの、先生が水をとって来るとキッチンへ行ったすきに私はリビングの隅っこに正座をした。

「申し訳ありませんでした」
床に両手をつき土下座の姿勢。

「やめろ、そんな恰好するな」
「でも、」
これ以外のお詫びの仕方が思い浮かばない。

「自分が何をしたか記憶があるのか?」
少し意地悪そうに私を見る皆川先生。

「いいえ、ありません。ありませんが、きっとすごいことをしたんだろうなと予想しまして・・・」

「何をしたかの記憶もないのに、とりあえず謝ってみたと?」
「ええ、まあ」
否定できない。

「そんな気持ちのこもらない謝罪はいらない」
「・・・すみません」

何か、今日の皆川先生はすごく意地悪だ。