「い……」
誰かの声が聞こえて寝返りをうつ
「まだ…」
「伊織様、起きてください」
さっきよりクリアに聞こえた声に目が開く
「おはようございます伊織様。すみません無理に起こしてしまい…。伊織様、旦那様がお帰りになられました」
パチっと完全に目が覚め、体も起こす
時間を見るとお昼を迎えようとしていた
「先程なので、大丈夫ですよ。私は外にいますのでご準備ができたら旦那様のところへお連れします」
そう言って部屋から出て行く横山さんを横目に、急いで準備する
お父様に会うのはいつぶりだろうか…
顔を洗い、歯を磨く
ボサボサの頭を適当にとかし、適当に服を着る
そして頭にしっかり乗せれば完成
部屋を出る前に鏡でチェックする
服は黒のパーカーにデニムという楽すぎる格好
髪の毛が不自然じゃないか入念にチェックして外に出る
「こっち…?」
部屋を出て通路を歩き、久々に屋敷に入る
久々の私でも、お父様の部屋の場所は覚えている
でも、横山さんが進むのはお父様の部屋の方とは違う
「すみません。今、旦那様は皆様と応接室にいらっしゃいます」


