私の手を自分の手と一緒に下ろし、そのまま軽く握られる
私はその行動の意味が分からないし、何でシノを知ってるのも分からないから頭が混乱してくる
「お前が…あの時、教室で寝てた時、寝言で言ってた」
あ…あの完全に落ちた時か…
同じ空間に総長たちがいたのに、爆睡できた謎の時間
「なんだ…、シノは…私の大切な人」
そう言えば、握られている手に力が微かにこもり、思わず総長を見る
「そうか……分かった。あと、総長はやめろ」
そう言った彼の儚げない顔が私の心に突き刺さる
「俺の名前忘れてそうだな。安達 湊、湊でいい。これからそう呼べよ」
「…あと、その大量のお菓子全部1人で食うのか?太るぞ」
安達 湊…
綺麗な顔が儚げなものから優しい穏やかなものに変わった時、ドキッとした
じゃあなと去っていく後ろ姿を見ながら、さっきまで握られていた手を自分で握りしめる
あの数分は夢だったのか…
初めてあんなに心が動いた
それは、彼の、湊の総長としての姿になのか、それとも安達 湊そのものの姿に惹かれたのか
その夜は何をするにも頭の中は湊でいっぱいだった


