「華織ん家って藤咲グループだろ!?やっぱでけーんだろうなー!」
「湊ん家と良い勝負なんじゃない?」
「そうなの!?私、湊の家行きたい!」
ものすごい盛り上がっている車内
横山さんは顔が少し穏やかに見える
私はというと、存在を消すことに徹底している
彼らは私が居ても全然気にしてなさそうだった
でも、たまにチラッとサイドミラーを見れば、私の真後ろに座っている総長と目が合いそうになる
見なければいいのに、どこに視線をやっていればいいのか分からない
それでキョロキョロしてサイドミラーを見れば、ばっちり目が合う
フッ…と微かに笑った
私は慌てて前を向いて、冷静になれと言い聞かせる
あの人のあんな顔は初めて見る…と思う
彼らを観察するほど一緒にいたことないから分からないけど
「もうすぐだよー!私みんなとお泊り楽しみ!」
ぐるぐると考えてるところに聞こえてきた"お泊り"という単語
思わず横山さんを見れば、少し苦笑いで頷いてた
今日は金曜日
大変な週末になりそう…
ブーブーと鳴っている携帯をポケットの中で触りながら思う


