「制服なんてどこも変わんないでしょ」
「えー!変わるってー!きぃはそういうの適当すぎ!この髪だって、きぃの顔隠してるし…」
私の真っ黒の髪を耳にかけるシノに目をやれば、優しい表情で笑った
「鬱陶しいよね…でも、こっちの方が都合いいから」
"分かってる"
そう言うように、頭を撫でてくれるシノに今度は私が寄りかかる
気づくと外はすっかり暗くなっており、私はシノに家まで送ってもらった
裏口で降ろしてくれたシノ
暇な時来いよ!
それだけ言って去って行く
私はシノの姿が見えなくなるまで見送り、静かに裏口のドアを開ける
普段は鍵がついてるんだけど、横山さんにこういう時は開けておいてくださいと頼んでる
人気のない敷地内を静かに移動する
靴を脱ぎ部屋に入れば、そこは私だけの空間
鞄を下ろし制服を脱いでると、テーブルにご飯が置いてあった
『料理長の自信作だそうです。ぜひ、伊織様にと』
メモの側には、和食を中心とした豪華なご飯
「こんなに食べれるかな…」
料理長の自信満々な顔が浮かんで思わず笑ってしまう
豪華なご飯を時間をかけて全部食べ、お風呂もゆっくり入った
シノたちにも会えたからか、その日はぐっすり眠れた


