「待て、まずそこから聞きたい。あいつはいつ怪我したんだ。それに俺らのせいで男に囲まれたと樹は言っていたな」
ちゃんと知らないといけない
言いづらそうに口を開く律
俺らのファンの女たちが伊織に嫉妬して男たちを使って襲わせたこと
あの日律が窓から樹に声をかけた時に抱かれていたのが怪我した伊織だったこと
律と一緒に倉庫に呼び出した時も完治はしていなかったこと
「くそ…」
何で気づいてやれなかったのかと自分に苛立つ一方で、俺の知らない伊織のことを何でも知ってる律にムカついてしまう
ムクムクと溢れ出る黒い感情を抑えつつ、これからすべきことを考える
「伊織…」


