「あんたらのせいで、きぃさんは…。あんたらのせいだよ!妬まれて、怪我して、終いには自ら行くなんて…」
「あなた怪我してるの?手当てしてあげるわ」
ぽつりと呟くような小さかった声
怪我というワードだけ拾った華織がそいつに手を差し伸べる
が、触れる前に体を引き、そして真っ直ぐに俺らを見渡し
「怪我をしたのは伊織さんだ。お前らと一緒にいたから…男に囲まれたんだ。…それに、奇襲に遭ってた紅蓮を救ったのも伊織さんだ」
「伊織さんは頑なにお前らには言うなと言っていたけど、限界だ。お前らは今、伊織さんに救われてることを忘れるな」


