「湊…?どうした」
一点を見つめる俺に気づき悠が不思議そうに俺の視線を追う
「……伊織だ」
「伊織?あの綺麗な着物着てる人が?」
普段の伊織を知ってる奴なら、あいつが伊織だと思うはずがない
「でも、確かによく見ると華織に見てるかも」
いつも顔を隠してる邪魔そうな髪はきちんと後ろで纏められてる
長い前髪も横に流して、顔が全開状態
「横にいるのは、藤咲の人ってことか?なんか嘘くさい顔してるけど」
あいつは知らない男と腕を組んで大人たちと談笑してる
悠の言う通り、とても藤咲の人間には見えない
なら何であいつはそんな奴と一緒にいるのか
「悠、調べてくれるか…」
「分かった。俺も気になるし」
状況が分からないから、華織たちに言うのはやめておいた
「誰だよそいつ…」
腕を組んでいる姿
知らない男の横で普段見せない顔をさらけ出し、ニコニコと笑ってる姿
全てが嫉妬する材料となった


