「別に、少し体調を崩してただけ」



「そうだったの…?大丈夫?伊織ちゃん」





心配してくれる遥希を騙してる感じがするが、真実を言う必要はない




「ならいいが、お前は相手に顔がバレてんだ。できれば解決するまで、外に出ない方がいいんだが…」




確かに
その方が紅蓮に余計な迷惑もかけない



「分かった。家にいる」



するとタイミングよく携帯が震えだした




「…ごめんね、私のせいで。…横山さんから電話来たから帰るわ」



「伊織さんっ…」


「大丈夫、ありがとう律」



紅蓮に悟られないように少し痛む体を我慢し、部屋から出る




「もしもし、…分かった。すぐ行く」