「今日は休み?」

尚志は微笑んだ。

私は首を横に振って、

「8月に会社が閉鎖になって…。
今は働いてない」

そう言って苦笑いをした。

「そっか…、ゴメン」

尚志はそう言ってバイクに跨がった。

「あ、そうだ」

尚志は何かを思い出したかのように前カバンを開けた。

「もし。
しばらく仕事しないなら、年末バイトに来ない?
…時給は安いけど」

手渡されたチラシは年末の短期バイトの応募用紙だった。

「来るなら、俺の担当区に入れるから」

尚志はそう言ってバイクのキックを蹴ってエンジンをかけた。

「じゃあ、また」