ようやく。

休憩の声がかかり、私は自分の席でボーっとする事にした。

「どう、慣れてきた?」

尚志が横に座った。

「うん、何とか。
それより井上さんは?」

「外の風に当たってだいぶマシにはなったみたいだよ。
今日は残業させずに帰らせるよ」

それを聞いて私はホッとした。

あのまま仕事させると可哀相。

「昨日、ぽっくんが無理矢理クリスマスしたいと言い出して。
俺と塩野が付き合ったんだけど、ぽっくんはジュースと酒を間違って飲んでこの有様だよ」

尚志は大きくため息をつく。

「3人、仲良いんだね」

羨ましかった。

職場の人とそうやって遊んだ事がないし。

「んー、そうだね。
俺と環は同い年だから特にだけど、ぽっくんはここに来て環に最初、色々教えてもらってそれから俺が教育係になったんだ。
変に懐かれて今に至るよ」

苦笑いをしている尚志だけど、嫌がっていないのはよくわかる。

「おお、仲良いな〜」

班長がすれ違い様に声をかけてきた。

私も尚志も苦笑いをした。