「にーさんは今日、夜勤で今、配達に行ってるからボクが教えるね」

アカリはそう言って私の手を取った。

「井上!むやみやたらに触ったりしない!!」

班長はそう怒るけどアカリは

「無視ー!!」

と言って私に微笑んだ。

彼女に懐かれすぎて、憎めない…



アカリに色々教えてもらって流れを掴んだ頃。

外の寒い空気を含んだ上着を着た人物が私の後ろを通った。

「いらっしゃい」

振り返ると尚志が微笑んでいた。