「大丈夫?」

入ったバーで環は俺の顔色を見ていた。

環は別れた一部始終を知っている。

「うん。
ぽっくんは悪気がある訳じゃないし」

俺は苦笑いをした。

「そう、ならいいけど」

環はそう言ってグラスに口をつけた。



前の彼女は、自由奔放だった。

生活の根本は俺に依存していて、自分で稼いだ金はすべて自分の物に使っていた。

でも。

それでも彼女がイキイキして輝いてくれるなら俺は良かった。

けれど。

対人関係で仕事を辞めてからは家に篭ってインターネットの世界にどっぷりハマる。

オークションで金儲けしていたけど行き詰まって、最後には消費者金融に手を出した。

そこまでするなら、バイトでもいいから働けよって思ってたけど。

基本の生活は俺に頼っていたのと、しばらく世の中から遠ざかっていたので働く気力を一切失っていた。

更に決定的なのは俺のクレジットカードで勝手にキャッシングした事。

もう。

信じられなくなった。