フルートを構えなおして、ブレスをする。

僕の、フルート。

吹くんだ。フルート2ndの僕のフルートを。

そこからは記憶がない。ただただ吹いてた。

いつの間にか合奏は終わってて。

びっくりするほど疲れていた。

「五十嵐君、フルートとってもきれいだね。吹奏楽部に入ってくれてうれしいよ」

顧問の東屋先生に褒められる。

「ありがとうございます。でも、今回は日音先輩のおかげです。教えてもらえなかったら、入れなかったですし。」

「神白、すごいだろう。まあ、私が言えたことじゃないんだけどね。」