奏でる音が消えるまで、私は彼を見つめる。

少し息の音がして、音楽が終わる。

「すごい!私なんかよりも遥かに上手!」

そう言って手をたたくと、周りの人も彼に拍手を送った

少し気まずそうな彼の顔。

ふふ、やっぱりこの子かわいい。

「ここだと人が通るので、どこか行きません......?」

私は彼に満面の笑みで答える。

「そうしよう!」

この子なら、吹奏楽部のエースになれる。

そう、確信した。