「ねぇねぇ。他のCDないの?」
私は、センターのコンソールボックスを勝手に開けた。
信号待ちで車がとまり、
「だぁ!何やってんだよ!」
って、先生は私の手首を掴んだ。
トクン…。
私の胸が小さく鳴った。
顔が熱くなるのがわかって…。
ありえない…。
性格最低男なのに…。
「お前、何固まってんの?」
「べ…別に…」
私は、先生から顔を逸らした。
「あ~!もしかして…俺に惚れちゃった?」
先生が、私の顔を覗き込んで、低い声でゆっくり言った。
「ち…違うわよ!この勘違い男!」
先生は私の手首を離すと、車を発進させた。