奈々子はさっきから落ち着かない様子。


鞄から鏡を出して、何回も髪やメイクを見ていた。



「ねぇ…海璃~。おかしくない?」



奈々子が髪を触りながら言ってきた。



「おかしくないよ!奈々子、可愛い♪」


「ホント?」


「うん」



私は、奈々子に微笑んだ。


さっきからこの繰り返し。


ちょっとうんざり。


私は、奈々子に聞こえないように、
"はぁ…"と小さく溜め息をついて、窓の外を見ていた。