その男は、俺を見るなりこう言った。 「えっと、君は・・・申し訳ないけど、どちら様だったかな? アメリカから来たということは、 あっ、もしかしたら桃華の知り合いだったりとか? 僕との結婚前にアメリカにいたし、でも君たち高校生?くらいだよね? じゃー違うなぁ・・・?」 何も知らない様子で、ドンドン話すこいつの反応に俺は言葉を失った。 (俺の存在をまったく持って知らないのか?)