「きっと注目されたかったんだよ」
「へ?」
「彼女は3人姉妹の次女だ。自分が産まれた時からずっと、お母さんもお父さんも一番気にかけて育ててくれた。でも、妹が産まれてからは赤ちゃんの妹にばかりお父さんもお母さんも気をかけるようになった。だから寂しかったんだよ。今まで自分を大切にしてくれたお母さん達を妹に取られた気がして。しかもお姉さんは中学3年生。高校受験だからそこそこ気にかけてもらえる。自分には何もない。だから何かして気を引きたかったんだよ」
自分の推理に酔いしれるかのように頷く小松っちゃん。
「そんなベタベタな理由でこんな事件がおきる訳……」
その時、隣の襖を開けて、陽子ちゃんが泣きながら現れた。
「陽ちゃん!」
「ママごめんなさい! ごめんなさい!」
二人は駆け寄ると、抱き合いながら嗚咽を漏らして泣きあい始めた。
「ママが悪かったわ! あなたに寂しい思いをさせているのに気づかなくて!」
「ママごめんなさい。私がいいお姉ちゃんじゃなかったから。ごめんなさい!」
「え、ええ~!」
あまりにベタな展開に驚愕する私。この時の私の目は50センチ程飛び出ていたに違いない。
しかし、そんな私をよそに、本当に二人は分かりあって泣いていた。小松っちゃんの推理は正しかったのだ。
「これで陽子ちゃんの中の幽霊は消えた。でも絶対に消えないものそれは……」
「それは……?」
もうヤケクソだった。私はこの後の想像できるオチを呪った。
「家族の……」
「家族の……」
「愛。絆だよ」
小松っちゃんはハンカチでチーンと鼻をかんでいた。
もう私はどうすることもできなかった。
「もうこんなのいや~!」
あまりにベタベタな展開に感動もせず、仕方なく私は涙を二筋出して左右に揺らしてカチコチと鳴らした。(昔のアニメの終わりのシーンのように)
……。
話が終わった後、紫乃さんは下を向いたままガックリと肩を落として真っ白に燃え尽きていた。
今のは本当に紫乃さんの話だったのだろうか?
横では徹さんがスキンヘッドのカツラを被り、目に黒い眼帯をつけてタオルを握っていた。
「じゃあ、次の話をお願いします」
私はゴングの音が遠くに聞こえたような気がして、慌てて話を先に進めることにした。
「へ?」
「彼女は3人姉妹の次女だ。自分が産まれた時からずっと、お母さんもお父さんも一番気にかけて育ててくれた。でも、妹が産まれてからは赤ちゃんの妹にばかりお父さんもお母さんも気をかけるようになった。だから寂しかったんだよ。今まで自分を大切にしてくれたお母さん達を妹に取られた気がして。しかもお姉さんは中学3年生。高校受験だからそこそこ気にかけてもらえる。自分には何もない。だから何かして気を引きたかったんだよ」
自分の推理に酔いしれるかのように頷く小松っちゃん。
「そんなベタベタな理由でこんな事件がおきる訳……」
その時、隣の襖を開けて、陽子ちゃんが泣きながら現れた。
「陽ちゃん!」
「ママごめんなさい! ごめんなさい!」
二人は駆け寄ると、抱き合いながら嗚咽を漏らして泣きあい始めた。
「ママが悪かったわ! あなたに寂しい思いをさせているのに気づかなくて!」
「ママごめんなさい。私がいいお姉ちゃんじゃなかったから。ごめんなさい!」
「え、ええ~!」
あまりにベタな展開に驚愕する私。この時の私の目は50センチ程飛び出ていたに違いない。
しかし、そんな私をよそに、本当に二人は分かりあって泣いていた。小松っちゃんの推理は正しかったのだ。
「これで陽子ちゃんの中の幽霊は消えた。でも絶対に消えないものそれは……」
「それは……?」
もうヤケクソだった。私はこの後の想像できるオチを呪った。
「家族の……」
「家族の……」
「愛。絆だよ」
小松っちゃんはハンカチでチーンと鼻をかんでいた。
もう私はどうすることもできなかった。
「もうこんなのいや~!」
あまりにベタベタな展開に感動もせず、仕方なく私は涙を二筋出して左右に揺らしてカチコチと鳴らした。(昔のアニメの終わりのシーンのように)
……。
話が終わった後、紫乃さんは下を向いたままガックリと肩を落として真っ白に燃え尽きていた。
今のは本当に紫乃さんの話だったのだろうか?
横では徹さんがスキンヘッドのカツラを被り、目に黒い眼帯をつけてタオルを握っていた。
「じゃあ、次の話をお願いします」
私はゴングの音が遠くに聞こえたような気がして、慌てて話を先に進めることにした。

