「それで、何か分かったんでしょうか?」
お母さんは私たち二人の前にお茶と羊羹を出すと、神妙な顔つきで聞いてきた。
「あの、陽子ちゃんは?」
「隣の部屋で寝ています。今なら大丈夫ですから」
「わかりました」
私も真実を聞かされていなかったから、固唾を飲んで小松っちゃんの話を待った。
「犯人は……陽子ちゃん自身です」
ずっこけた。
「え、そんな、自分で自分を誘拐したわけ?」
私はあまりの混乱に、訳のわからない質問を返した。
「そうだよ。自分が消えればいいんだ」
そこで小松っちゃんは話し始めた。
「陽子ちゃんはデパートの時も、学園の時も、自分から姿を隠したんだ。だからデパートでは子どもしか通ることの出来ないところで発見されたし、学園では部屋の内側からカギをかけたんだ」
「そんな、まさか。だったら金庫に閉じ込められたのはなんで?」
私は訳が分からずに聞いた。
「金庫は始めから開いてたんだよ。それを自分から入って閉めたんだ」
「そんな事誰も言ってなかったじゃん!」
「それに、閉じ込められたなら、必死の抵抗とかして金庫の中はもっと荒れただろうし、爪とかで内部は引っかき傷とか出来ていてもいい筈だ。でも、金庫の中はキズ一つなかった。彼女が自ら中に入ったなら暴れる必要もない」
私は最大の謎を聞いた。
「でも、それをして彼女に何のメリットがあるの? 自分で自分を危険な目に遭わせてまで」
私の問いに、小松っちゃんは遠い目で答えた。
お母さんは私たち二人の前にお茶と羊羹を出すと、神妙な顔つきで聞いてきた。
「あの、陽子ちゃんは?」
「隣の部屋で寝ています。今なら大丈夫ですから」
「わかりました」
私も真実を聞かされていなかったから、固唾を飲んで小松っちゃんの話を待った。
「犯人は……陽子ちゃん自身です」
ずっこけた。
「え、そんな、自分で自分を誘拐したわけ?」
私はあまりの混乱に、訳のわからない質問を返した。
「そうだよ。自分が消えればいいんだ」
そこで小松っちゃんは話し始めた。
「陽子ちゃんはデパートの時も、学園の時も、自分から姿を隠したんだ。だからデパートでは子どもしか通ることの出来ないところで発見されたし、学園では部屋の内側からカギをかけたんだ」
「そんな、まさか。だったら金庫に閉じ込められたのはなんで?」
私は訳が分からずに聞いた。
「金庫は始めから開いてたんだよ。それを自分から入って閉めたんだ」
「そんな事誰も言ってなかったじゃん!」
「それに、閉じ込められたなら、必死の抵抗とかして金庫の中はもっと荒れただろうし、爪とかで内部は引っかき傷とか出来ていてもいい筈だ。でも、金庫の中はキズ一つなかった。彼女が自ら中に入ったなら暴れる必要もない」
私は最大の謎を聞いた。
「でも、それをして彼女に何のメリットがあるの? 自分で自分を危険な目に遭わせてまで」
私の問いに、小松っちゃんは遠い目で答えた。

