「た、た、大変だ! 中に誰か入っているのかもしれない!」
パニックになった私たちは慌てて学園長室を後にした。
……その後直ぐに学園長先生に金庫を開けてもらうと、中からぐったりとした幼稚園くらいの女の子が発見された。酸欠のために意識は朦朧としていたが、金庫から助け出されると直ぐに泣き出した。
「お~よしよし、大丈夫だった? どうしたのこんなところで」
「うっ、うっ、うっ。誰かに、閉じ込められたの」
女の子は学園長先生に抱き上げられ、そのまま保健室へと連れて行かれた。
幸い女の子に外傷などは全くなく、大事には至らなくて済んだ。
「お姉ちゃんは紫乃っていうんだ。アナタの名前は?」
「……陽子」
「陽子ちゃんか~、ママはどうしたの?」
私が陽子ちゃんをあやしていると、保健室に慌てた様子で赤ちゃんを背負った女性が一人駆け込んできた。
「陽ちゃん!」
「ママ!」
どうやら陽子ちゃんのお母さんらしく、陽子ちゃんは抱き合いながらわんわん泣いた。
お母さんは3年生の姉の保護者会に出ていたらしく、陽子ちゃんを学園内で遊ばせていたのだと言う。
「ママ、私、また幽霊に連れて行かれたの、怖かった。もう陽子を一人にしないで!」
陽子ちゃんはママにしっかりと抱きついて懇願する。
「また? 幽霊? 前にもいなくなる事があったんですか?」
私は陽子ちゃんの言葉に引っかかるものを感じて尋ねた。
「ええ、そうなんです。過去に何度かいなくなってしまう事がありました。前回なんかはデパートの中で迷子になってしまって、その時は非常階段を下りた動力室で倒れているのを発見されたんです。その時はもっと大騒ぎでした。店員さんも総出でデパート内を探してくれて、私も誘拐でもされたんじゃないかと思って気が気ではありませんでした。でも、この子を連れて行った怪しい人物は発見されていないので、もう本当にこの子の言うとおり、幽霊にでも連れて行かれてるんじゃないかって思っているくらいです」
それだけ話をすると、お母さんは陽子ちゃんと手を繋いで帰っていった。
パニックになった私たちは慌てて学園長室を後にした。
……その後直ぐに学園長先生に金庫を開けてもらうと、中からぐったりとした幼稚園くらいの女の子が発見された。酸欠のために意識は朦朧としていたが、金庫から助け出されると直ぐに泣き出した。
「お~よしよし、大丈夫だった? どうしたのこんなところで」
「うっ、うっ、うっ。誰かに、閉じ込められたの」
女の子は学園長先生に抱き上げられ、そのまま保健室へと連れて行かれた。
幸い女の子に外傷などは全くなく、大事には至らなくて済んだ。
「お姉ちゃんは紫乃っていうんだ。アナタの名前は?」
「……陽子」
「陽子ちゃんか~、ママはどうしたの?」
私が陽子ちゃんをあやしていると、保健室に慌てた様子で赤ちゃんを背負った女性が一人駆け込んできた。
「陽ちゃん!」
「ママ!」
どうやら陽子ちゃんのお母さんらしく、陽子ちゃんは抱き合いながらわんわん泣いた。
お母さんは3年生の姉の保護者会に出ていたらしく、陽子ちゃんを学園内で遊ばせていたのだと言う。
「ママ、私、また幽霊に連れて行かれたの、怖かった。もう陽子を一人にしないで!」
陽子ちゃんはママにしっかりと抱きついて懇願する。
「また? 幽霊? 前にもいなくなる事があったんですか?」
私は陽子ちゃんの言葉に引っかかるものを感じて尋ねた。
「ええ、そうなんです。過去に何度かいなくなってしまう事がありました。前回なんかはデパートの中で迷子になってしまって、その時は非常階段を下りた動力室で倒れているのを発見されたんです。その時はもっと大騒ぎでした。店員さんも総出でデパート内を探してくれて、私も誘拐でもされたんじゃないかと思って気が気ではありませんでした。でも、この子を連れて行った怪しい人物は発見されていないので、もう本当にこの子の言うとおり、幽霊にでも連れて行かれてるんじゃないかって思っているくらいです」
それだけ話をすると、お母さんは陽子ちゃんと手を繋いで帰っていった。

