第23話 『小松少年の事件簿~その2、幽霊誘拐騒動~』 語り手 小野田 紫乃
「さて、今度は私の話に小松っちゃんを登場させるね」
「あ、人のネタぱくった」
「いいじゃない別に。私だって小松っちゃんにお世話になったことがあるんだから」
紫乃さんと徹さんの小突きあいが始まり、その場の空気が和やかのものに包まれた。
「さて、名探偵の小松っちゃんは今回はどんな事件を解決したのでしょうか?」
ウキウキとした様子で紫乃さんの話が始まった。
……私は2年生になって小松っちゃんと同じクラスになったんだ。彼とは小学校の時からの知り合いだから話もよくするんだけどね。ついこの間、私と小松っちゃんが学園長室の掃除を担当した際に、とんでもない事件に遭遇したのよ。
その日の放課後、日直だった私と小松っちゃんは、担任の先生の命を受けて学園長室へとやってきた。
「あれ? カギがかかってるね、これじゃあ中に入れないよ」
「本当だ、先生開けておいてくれるって言ってたのにね。これじゃあ掃除できないよ」
私たちは職員室に戻ると、先生に申し出てカギを開けてもらった。
室内は革張りの応接セット、値打ちモノらしい何枚かの絵画、学園長のイス、机……そして、ひときわ目を引くのは学園長机の脇にある巨大な金庫だった。
「すごいね~小松っちゃん、この金庫なら小松っちゃんは入れちゃうんじゃないの?」
「うん、そうかもしれないね。結構、儲かっているのかな?」
小松っちゃんは金庫の番号をクルクルと回してみるが、番号を知っているわけではないので、もちろんあける事は不可能だった。
……しかし。
「あ、何だ、何か聞こえるよ!」
私は僅かだったけど、金庫の中から携帯の着信音のようなものが聞こえてくるのを聞きつけた。
「さて、今度は私の話に小松っちゃんを登場させるね」
「あ、人のネタぱくった」
「いいじゃない別に。私だって小松っちゃんにお世話になったことがあるんだから」
紫乃さんと徹さんの小突きあいが始まり、その場の空気が和やかのものに包まれた。
「さて、名探偵の小松っちゃんは今回はどんな事件を解決したのでしょうか?」
ウキウキとした様子で紫乃さんの話が始まった。
……私は2年生になって小松っちゃんと同じクラスになったんだ。彼とは小学校の時からの知り合いだから話もよくするんだけどね。ついこの間、私と小松っちゃんが学園長室の掃除を担当した際に、とんでもない事件に遭遇したのよ。
その日の放課後、日直だった私と小松っちゃんは、担任の先生の命を受けて学園長室へとやってきた。
「あれ? カギがかかってるね、これじゃあ中に入れないよ」
「本当だ、先生開けておいてくれるって言ってたのにね。これじゃあ掃除できないよ」
私たちは職員室に戻ると、先生に申し出てカギを開けてもらった。
室内は革張りの応接セット、値打ちモノらしい何枚かの絵画、学園長のイス、机……そして、ひときわ目を引くのは学園長机の脇にある巨大な金庫だった。
「すごいね~小松っちゃん、この金庫なら小松っちゃんは入れちゃうんじゃないの?」
「うん、そうかもしれないね。結構、儲かっているのかな?」
小松っちゃんは金庫の番号をクルクルと回してみるが、番号を知っているわけではないので、もちろんあける事は不可能だった。
……しかし。
「あ、何だ、何か聞こえるよ!」
私は僅かだったけど、金庫の中から携帯の着信音のようなものが聞こえてくるのを聞きつけた。

