机の準備ができたようだ。
「さあ、誰がやる? 僕とキミでしょ。あと二人くらいが望ましいんだけど……」
「よし、俺がやってやる」
「私にもやらせてください。なんだか楽しそう」
喜々として参加を申し出たのは徹さんと斎条さんだ。
私は勢いに押されて、仕方なく机を取り囲むようにして4人でイスに腰掛けた。
机の上には例の紙がテープで貼られ、能勢さんの用意した10円玉が神社のマークの上においてある。
「よし、じゃあ始めよう。みんな10円玉の上に指をおいて……あ、それから他の皆も教室からは出ないでくれよ。こっくりさんが出て行ってしまうかもしれないからね」
みんなは頷き、本物の『こっくりさん』が始まった。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
みんなは10円玉に人差し指を乗せて、能勢さんの言葉に続いて召喚の呪文を唱える。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
もう一度静かに繰り返す。
……沈黙。何も教室内に変化は起きない。
「何も起きませんね……」
「みんなもっと真剣にこっくりさんに呼びかけるんだ。中途半端な召喚は悪霊を呼び寄せてしまうよ」
徹さんはギョッとした顔を見せ、慌てて目を閉じて呪文を繰り返す。
私にしても半信半疑だったため、急いでそれに習って目を閉じて呪文を繰り返した。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
教室内の沈黙が一層に強まった気がした。大ちゃんさんたちの気配すらも感じなくなる。
「……来た!」
能勢さんの言葉に目を開けると、信じられない事に10円玉が神社のマークの上でゆっくりと円を描くように回っている。
「これ、誰かが動かしてるんじゃないですか?」
「俺は何もしてないぞ、力だって入れちゃいない」
確かに徹さんの言うように、一番下にある私の指には大した力の圧力は感じない。それなのに10円玉はすべるように円を描き続ける。
「しっ! 黙って! 何か言ってる」
能勢さんの言葉に反応するように、私達の指を乗せた10円玉がひらがなの上を移動していく。
「さあ、誰がやる? 僕とキミでしょ。あと二人くらいが望ましいんだけど……」
「よし、俺がやってやる」
「私にもやらせてください。なんだか楽しそう」
喜々として参加を申し出たのは徹さんと斎条さんだ。
私は勢いに押されて、仕方なく机を取り囲むようにして4人でイスに腰掛けた。
机の上には例の紙がテープで貼られ、能勢さんの用意した10円玉が神社のマークの上においてある。
「よし、じゃあ始めよう。みんな10円玉の上に指をおいて……あ、それから他の皆も教室からは出ないでくれよ。こっくりさんが出て行ってしまうかもしれないからね」
みんなは頷き、本物の『こっくりさん』が始まった。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
みんなは10円玉に人差し指を乗せて、能勢さんの言葉に続いて召喚の呪文を唱える。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
もう一度静かに繰り返す。
……沈黙。何も教室内に変化は起きない。
「何も起きませんね……」
「みんなもっと真剣にこっくりさんに呼びかけるんだ。中途半端な召喚は悪霊を呼び寄せてしまうよ」
徹さんはギョッとした顔を見せ、慌てて目を閉じて呪文を繰り返す。
私にしても半信半疑だったため、急いでそれに習って目を閉じて呪文を繰り返した。
「こっくりさんこっくりさん、どうか出てきてください」
教室内の沈黙が一層に強まった気がした。大ちゃんさんたちの気配すらも感じなくなる。
「……来た!」
能勢さんの言葉に目を開けると、信じられない事に10円玉が神社のマークの上でゆっくりと円を描くように回っている。
「これ、誰かが動かしてるんじゃないですか?」
「俺は何もしてないぞ、力だって入れちゃいない」
確かに徹さんの言うように、一番下にある私の指には大した力の圧力は感じない。それなのに10円玉はすべるように円を描き続ける。
「しっ! 黙って! 何か言ってる」
能勢さんの言葉に反応するように、私達の指を乗せた10円玉がひらがなの上を移動していく。

