学園怪談

第42話 『小松少年の事件簿~その3、絵斬り般若事件③~』 語り手 石田徹

 【前回までのあらすじ】

 小松です! 翔一の家で起こった絵が斬られちゃう事件に遭遇した僕と徹君。さあ事件の解決までもうすぐだ。みんなも誰が犯人か推理してみよう!
「小松っちゃん、あらすじが短すぎて分かんないよ~!」

 ……それから小松ちゃんと俺による、捜査が始まった。
「犯人……絵斬り般若は絶対にこの中にいる。さて、まずは何を調べたものか……」
「小松っちゃん、今回の事件現場は密室だった事に注目した方がいいんじゃないかい?」
「そう、それだ。部屋にはカギが掛かっていた。あの部屋の鍵は古い簡易なものでね、掛け金を上から下に下ろすだけでかけることができるんだ。まあ言ってみればトイレの横にスライドしてかける鍵の縦バージョンといったところだね」
「じゃあ、中にいたマリオにもかける事ができるのかな?」
「いや、それは無理だろう。マリオじゃ背が届かない。何か踏み台でも使えば話は別だけど、1歳そこそこでそんなことはできるはずもない」
 そこで俺は一つ思いついた。
「じゃあ犯人は小峰さんじゃないかい? 彼なら鍵を持ってたから外から鍵をかければ済むことじゃん」
 しかし、小松っちゃんは首を横に振った。
「いや、あのカギはね、中から下ろす事はできても外からは下ろせないんだよ。そういうつくりになってるんだ。だから鍵があっても、それは開けることしかできないんだ」
 ややこしい事件だ。それでは犯人は絵を切り裂いた後、部屋から煙のように消えてしまったことになる。
「どこかに隠れていたとか?」
「人の隠れられる所はどこにもなかった」
「じゃあ、カギをテープとか紐とかで降りないようにしておいて、部屋の外に出てからその紐を引っ張る。これでどう? これなら外からでもカギがかけられるよね?」
「お、なかなかいい推理だね。でもそうするとマリオがいつ閉じ込められたのか分からなくなっちゃうよ? マリオは部屋の中にいた。それに奥さんがマリオを寝室で寝かしつけたのは11時少し前だった。それから屋敷の関係者は全員このゲストルームに集まっていた。だからもしそのトリックが使われたとしたら犯人は11時以降にゲストルームにいなかった人間ということになる」