<2月13日>
……最近体の調子があまりよくない。どうも体がだるい。昨日医者に行ってみたけれど、どこにも異常はなくて、精神的なストレスが原因ではないかと言われた。……ストレスか、確かに最近少しストレスを感じる事が多くなった。まずは母親だ。やたら僕の安全を気にするようになった。「車に気をつけなさい」とか「早く帰って来るのよ」なんて、今まで妹にしか言わなかった言葉を頻繁にかけてくるし、妹と一緒にカレーを作っていたら「健二は包丁なんか持っちゃだめ!」って言われたし。こんなに僕ばかり大事にされるのも何だかむず痒い。
……日記の内容からは、極度に優しくなった家族の事をいぶかしんでいる様子が書かれていた。しかし、それと同時に、家族に大切にされる照れくささのようなものも感じ取れ、複雑な想いが渦巻いているように思えた。
<2月20日>
学園長先生は毎日のように僕に笑顔を向ける。なんだか人形のように同じ笑いを繰り返していて気味が悪い。それに、最近なんだか何処からか視線を感じるようになった。僕の事を見張っているような、様子を窺っているかのような視線を。……考えすぎかな? 何だか最近体の調子もますます良くないし、気が滅入りそうだ。
「だ、大丈夫かよ遊佐のやつ」
俺は少しばかり彼が心配になった。彼は最近では学園を休みがちになり、たまに来ても机の上で突っ伏したまま顔を上げようともしない。
……そして、それからも日に日に彼を監視する視線が増えていることが日記に綴られた。
<3月18日>
見張られている気配が四六時中する! 学園の中でも、登下校中も、家の中にいても! 何だか頭が狂いそうだ。止めてくれ、僕に構わないでくれ! 僕は平穏に過ごしたいだけなのに何でこんな目に遭わなくちゃならないんだ! 誰か助けて! 誰か助けて! 誰か助けて!
……遊佐はかなりノイローゼになってしまっているようだった。学園にも来なくなり、日記だけが唯一彼の現状を知りうる手立てだった。学園の生徒達は彼が休み続けても全く気にせずに毎日を送り続けていた。気に止まった人がいたとしても、しょせんニートが一人増えたくらいにしか思っていないのだろう。
そして日記に……。
……最近体の調子があまりよくない。どうも体がだるい。昨日医者に行ってみたけれど、どこにも異常はなくて、精神的なストレスが原因ではないかと言われた。……ストレスか、確かに最近少しストレスを感じる事が多くなった。まずは母親だ。やたら僕の安全を気にするようになった。「車に気をつけなさい」とか「早く帰って来るのよ」なんて、今まで妹にしか言わなかった言葉を頻繁にかけてくるし、妹と一緒にカレーを作っていたら「健二は包丁なんか持っちゃだめ!」って言われたし。こんなに僕ばかり大事にされるのも何だかむず痒い。
……日記の内容からは、極度に優しくなった家族の事をいぶかしんでいる様子が書かれていた。しかし、それと同時に、家族に大切にされる照れくささのようなものも感じ取れ、複雑な想いが渦巻いているように思えた。
<2月20日>
学園長先生は毎日のように僕に笑顔を向ける。なんだか人形のように同じ笑いを繰り返していて気味が悪い。それに、最近なんだか何処からか視線を感じるようになった。僕の事を見張っているような、様子を窺っているかのような視線を。……考えすぎかな? 何だか最近体の調子もますます良くないし、気が滅入りそうだ。
「だ、大丈夫かよ遊佐のやつ」
俺は少しばかり彼が心配になった。彼は最近では学園を休みがちになり、たまに来ても机の上で突っ伏したまま顔を上げようともしない。
……そして、それからも日に日に彼を監視する視線が増えていることが日記に綴られた。
<3月18日>
見張られている気配が四六時中する! 学園の中でも、登下校中も、家の中にいても! 何だか頭が狂いそうだ。止めてくれ、僕に構わないでくれ! 僕は平穏に過ごしたいだけなのに何でこんな目に遭わなくちゃならないんだ! 誰か助けて! 誰か助けて! 誰か助けて!
……遊佐はかなりノイローゼになってしまっているようだった。学園にも来なくなり、日記だけが唯一彼の現状を知りうる手立てだった。学園の生徒達は彼が休み続けても全く気にせずに毎日を送り続けていた。気に止まった人がいたとしても、しょせんニートが一人増えたくらいにしか思っていないのだろう。
そして日記に……。

