……。
1、2年の間、俺と同じクラスに遊佐っていう男子生徒がいた。こいつは凄く存在感がない奴でね。本人も無口で消極的な奴だから何かと忘れられがちな存在だった。授業中でも1年間通してどの先生にも指名されなかったのは俺の知る限りでも奴しかいない。特に勉強や運動が出来るわけでもない。友達もいないのか誰かと喋っている姿を見たこともないし、学園を休むこともしばしばあった……ような気がする。
彼はそんな訳で、イジメの対象にもされないくらいに影の薄い男だった。そんな奴だったから、特に話をするでもなく過ごしていた2年生のある日、俺はふとパソコンの検索バーで『遊佐健二』って、奴のことを入れてみた。これは本当に偶然だったんだ。たまたま家でパソコンをいじってて、クラスの連絡網が目に付いたから遊び心でやってみたんだ。まあ、遊佐っていう名字も結構珍しいからね。
そうしたら、色んな関連語句を含むヒットが数千件あった。そして適当にそれらを見ていると、『遊佐健二の日記』というサイトに辿り着いた。
「お、これってもしかして?」
俺は興味を惹かれ、そのサイトをブックマークするとページを開いた。
<9月25日>
今日は学園で文化祭の出し物が話し合われた。無難なところで『シンデレラ』の劇に決まった。でも実際に舞台で演じるのは一部の目立った人たちだけだから、僕は小道具を作るという、その他大勢の役割をすることになった。
「シンデレラ? これってやっぱりうちのクラスの事だよな。ってことはやっぱりアイツの日記かよ」
何処にもリンクされておらず、こちらが感想などを書き込めるような機能もない。このサイトは彼の、本当にありのままの彼の日記を人に公開しているだけだった。それでも日記の歴史は古く、入学当初から日記は一日も休むことなく続いていた。
「ふあ~あ、しっかしまあ、アイツは性格は地味だけど、日記に書いていることまで地味だね~。つまんねえな」
俺は過去の日記をいくらか見た後、直ぐにページを閉じた。
1、2年の間、俺と同じクラスに遊佐っていう男子生徒がいた。こいつは凄く存在感がない奴でね。本人も無口で消極的な奴だから何かと忘れられがちな存在だった。授業中でも1年間通してどの先生にも指名されなかったのは俺の知る限りでも奴しかいない。特に勉強や運動が出来るわけでもない。友達もいないのか誰かと喋っている姿を見たこともないし、学園を休むこともしばしばあった……ような気がする。
彼はそんな訳で、イジメの対象にもされないくらいに影の薄い男だった。そんな奴だったから、特に話をするでもなく過ごしていた2年生のある日、俺はふとパソコンの検索バーで『遊佐健二』って、奴のことを入れてみた。これは本当に偶然だったんだ。たまたま家でパソコンをいじってて、クラスの連絡網が目に付いたから遊び心でやってみたんだ。まあ、遊佐っていう名字も結構珍しいからね。
そうしたら、色んな関連語句を含むヒットが数千件あった。そして適当にそれらを見ていると、『遊佐健二の日記』というサイトに辿り着いた。
「お、これってもしかして?」
俺は興味を惹かれ、そのサイトをブックマークするとページを開いた。
<9月25日>
今日は学園で文化祭の出し物が話し合われた。無難なところで『シンデレラ』の劇に決まった。でも実際に舞台で演じるのは一部の目立った人たちだけだから、僕は小道具を作るという、その他大勢の役割をすることになった。
「シンデレラ? これってやっぱりうちのクラスの事だよな。ってことはやっぱりアイツの日記かよ」
何処にもリンクされておらず、こちらが感想などを書き込めるような機能もない。このサイトは彼の、本当にありのままの彼の日記を人に公開しているだけだった。それでも日記の歴史は古く、入学当初から日記は一日も休むことなく続いていた。
「ふあ~あ、しっかしまあ、アイツは性格は地味だけど、日記に書いていることまで地味だね~。つまんねえな」
俺は過去の日記をいくらか見た後、直ぐにページを閉じた。

