……そして、木工室の前で倒れている怪物と女生徒を発見したが、思わずワシはそのまま廊下に激しく吐いてしまった。
「……やっと同じになれたわね……アンタの右目ってちょっと小さいのね、視界が狭そう」
ワシは嘔吐を続け胃を痙攣させながらも、目の前の異常な光景を凝視せずにはいられなかった。
……這いつくばる女は死んでしまったのか、ピクリとも動かなかった。そして、その脇で彼女は怪物の右目からくり抜いたであろう眼球を弄んでいた。左右の手でお手玉のようにして遊んだりしては、それを自分の右目に入れていたのだ。彼女の右目は落ち窪んでおり、大量の血液を滴らせながらニヤニヤと笑っていた。
彼女の脇で、自分の右目からくり抜いたであろう目玉が一つ転がっていた……。
……。
紫乃さんがタオルで口元を押さえていた。
確かに相当に気持ちの悪い話だった。私も心なしか胃の辺りが酸っぱい感じに見舞われている。
「その後、怪物の亡骸は消えてしまった。後には血まみれの彼女とワシだけが残され、ワシの呼んだ救急車で彼女は病院へと運ばれていったんじゃ」
「なんで彼女はそんな事をしたんですか?」
「後で分かったことなんじゃが、彼女とサツキという生徒は確かに幼稚園時代からの友達だったそうなんじゃ。ただ小学生になりたての頃、サツキのイタズラのせいで彼女が目を怪我する事件が起きた。そしてそのまま失明してしまったんじゃ。彼女の右目は……義眼だったそうじゃ」
「そうですか……それで怪物のその後は?」
「全く出なくなったな。あの時にやっぱり死んだんじゃよ。いや、そもそも始めから這いつくばる女は彼女の作り出した幻影だったのかもしれんな。」
幼い自分から右目の光を奪った友人の事を憎んでいた女生徒。そして、右目だけを求め彷徨う怪物。私には何だか、この一連の事件は始めから起こるべくして起こったもののように思えて仕方なかった。
「……やっと同じになれたわね……アンタの右目ってちょっと小さいのね、視界が狭そう」
ワシは嘔吐を続け胃を痙攣させながらも、目の前の異常な光景を凝視せずにはいられなかった。
……這いつくばる女は死んでしまったのか、ピクリとも動かなかった。そして、その脇で彼女は怪物の右目からくり抜いたであろう眼球を弄んでいた。左右の手でお手玉のようにして遊んだりしては、それを自分の右目に入れていたのだ。彼女の右目は落ち窪んでおり、大量の血液を滴らせながらニヤニヤと笑っていた。
彼女の脇で、自分の右目からくり抜いたであろう目玉が一つ転がっていた……。
……。
紫乃さんがタオルで口元を押さえていた。
確かに相当に気持ちの悪い話だった。私も心なしか胃の辺りが酸っぱい感じに見舞われている。
「その後、怪物の亡骸は消えてしまった。後には血まみれの彼女とワシだけが残され、ワシの呼んだ救急車で彼女は病院へと運ばれていったんじゃ」
「なんで彼女はそんな事をしたんですか?」
「後で分かったことなんじゃが、彼女とサツキという生徒は確かに幼稚園時代からの友達だったそうなんじゃ。ただ小学生になりたての頃、サツキのイタズラのせいで彼女が目を怪我する事件が起きた。そしてそのまま失明してしまったんじゃ。彼女の右目は……義眼だったそうじゃ」
「そうですか……それで怪物のその後は?」
「全く出なくなったな。あの時にやっぱり死んだんじゃよ。いや、そもそも始めから這いつくばる女は彼女の作り出した幻影だったのかもしれんな。」
幼い自分から右目の光を奪った友人の事を憎んでいた女生徒。そして、右目だけを求め彷徨う怪物。私には何だか、この一連の事件は始めから起こるべくして起こったもののように思えて仕方なかった。

