学園怪談

 なぜかこんな時の考えるポーズまで一緒だ。
「そうです! 私が徹さんを探している最中に、人魂が飛んでたし、窓の外で空中に立ち尽くす女の子の姿とかもあったんですよ!」
「……そんなの……知らないよな?」
 徹さんの言葉に、みんなも互いに頷きあう。
 私は背筋が寒くなったような気がした。
「ということは……」
「もしかして……」
 さっきまで楽しげだった、みんなの表情が少しずつ歪んでいく。
 ……その時、私達は確かに見た。体育館の奥で、人魂がいくつも浮遊するのを。そして足のない血まみれの女の子がニタリとこちらを見ているのを。
「でで、でででで、出たあああああ!」
「うきゃああああ!」
 私達は先を争うようにして逃げ出していた。

 ……本日の教訓。
 イタズラに霊を刺激することはやめましょう。