学園怪談

……博人と美由紀は小学生時代からの恋人だったの。当時、まだ小学生で交際なんていうのは全くと言っていいほどなくて、二人の関係もお互いを好きという気持ちを伝えていた程度のものだったの。それでも二人は歳を重ねるごとに、少しずつ少しずつお互いの愛を深めていった。そして中学を卒業しても一緒の高校に進むこと、高校を卒業したら結婚したいということまで二人は考え始めるようになった。
 そんなある日……事件は起こった。
 美由紀の家がガス爆発の事故で吹き飛び、家族全員が死亡するという痛ましい事件が起こったのだ。
 そんな凶報を信じられない思いで博人は聞いた。
「う、うそだ……そんなバカな!」
 しかし現実は残酷で、その日以降、美由紀は当然ながら学園には現れなかった。
 クラスメイトは泣きながら彼女の机に花を手向けた。
 博人は机に飾られた花を見ても美由紀の死を認めることが出来ず、次第に誰とも会話をしなくなり、一人で過ごすことが多くなった。
「美由紀……美由紀……どうしてお前が死ななきゃならないんだ……」
 休日の日も、彼は誰とも過ごすことなく一人でゾンビのように町の人気のない所を歩いていた。
「……ここは? どこだっけ?」
 うつむいて歩いていた博人は普段来たことのない所まで歩いて来ていた。見覚えのない景色だが、遠くに馴染み深いデパートビルが見えることからそれほど遠くまでは来ていないようで安心した。
目の前には薄ら暗い店構えの古本屋があった。
「せっかくここまで来たし、何か買って帰るか……」
 店の中は薄暗く、奥で店主らしきお爺さんが本を磨きながらテレビを見ていた。あまり長く居たくはない、そんな雰囲気のお店だった。
「こ、これは……?」
 そして、古びた本の中に博人は『黒魔術~死者の蘇生術~』という一冊の本に目がとまった。