プロローグ
 
 私は新座学園に所属する1年生。夏のある夜、私は同学園の教室内で様々な怪談を聞く事になった。
 それは一晩の間に学園に存在する怪談を出来る限り語り合ってみようという、生徒達の間で持ち上がった企画だった。
 別に私は怪談を知っている訳ではない。ただ、自分の通う学園にどれだけの怪談が存在するのか、怖いもの見たさというか、好奇心というか。もしかしたら夏の夜という怪談に適した環境が、私をそんな企画への参加の背中を押したのかもしれない。
 集まった生徒は私を含めて7人。
 3年生が山﨑大介、能勢雅亮。2年生が石田淳、石田徹、小野田紫乃、そして私と同じく1年生が斎条弘子だ。
 私は専ら聞き手だ。この6人を語り手として、私の学園怪談への夜が始まったのである……。