「最近の蒼は、いろんな表情するようになったね」
「あっ、そういえばそうかも!」
全然気づいてなかったけど、少しずつ変われてきている気がする。
今まで、笑顔になることなんてできなかったのに。
「いろんな蒼を見れて嬉しいよ」
どれもこれも、きっと陽向くんのおかげ。
だから、1つ気になった。
「今まで、どう思ってたの?」
「どうって?」
「出会った頃の私の印象」
そう尋ねた私に、陽向くんは迷うことなくこう答えた。
「そりゃあ、笑顔がとっても可愛くて、動物が大好きで、どこか強がりなのに、泣き虫な蒼って思ってたよ」
「なっ! 最後、泣き虫ってひどい!」
まぁ、陽向くんの前で何回か泣いてしまったけど!
聞いて損した。
「逆に、蒼は俺のことどう思ってた?」
「えっ? わ、私?」
急に振られて困ってしまった。
「俺の印象、教えてよ」
ワクワクとした様子で陽向くんは私を見つめる。
本人の前で言うのは少し恥ずかしいけれど、私は出会った頃の率直な印象を伝えた。