桜の花びらが降る頃、きみに恋をする


「うわっ!」

箱から飛び出してきたのは、小さなピエロのお人形。

バネがついていて、ぴょんぴょんと飛ぶ仕掛け。

要するに、箱は箱でもおもちゃのびっくり箱。

「はははっ! ひっかかった!」

私の驚く姿があまりにも面白かったのか、無邪気に笑う陽向くん。

「もう、びっくりしたよ」

「さっきの仕返しだよ」

あっ‥‥‥!

猫カフェで隠し撮りした仕返しか。

それにしても、陽向くんの可愛すぎるいたずらに思わずほっこりする。

それから、いろんなコーナーを見て回っていると、ふとアクセサリーコーナーで立ち止まった。

髪に留めるヘアピンがあまりにも可愛い!

「蒼、なにか気になるものでもあった?」

「あっ、うん! これ可愛いなって思って」

そう言って、2つ並んだ星形のヘアピンを指さした。

いろんな色の組み合わせになっていて、周りにはゴールド色で縁取られている。

「確かに可愛いね! 蒼に似合うと思うよ」

「ふふっ。そうかな」

「絶対似合うよ!」

陽向くんがそこまで言うなら買っちゃおうかな。

「色は、どれがいいと思う? いろんな色の組み合わせがあるからどれにしようか迷っちゃう」

「う〜ん、そうだな。蒼に似合いそうな色‥‥‥」

一緒になって選んでくれる陽向くん。

やっぱり優しいな。