桜の花びらが降る頃、きみに恋をする


「あっ」

画面越しに、目線が合う。

慌ててスマホを隠すけれど‥‥‥。

「蒼、今、俺を撮ったでしょ?」

ギクッ‥‥‥。

「と、撮ってないよ」

咄嗟に嘘をつくけど、陽向くんは怪しげに聞いてくる。

「本当に〜?」

「本当に!」

「じゃあ、撮ってないって言うなら証拠見せてよ」

「えっ、やだ。見せたくない」

‥‥‥あっ、しまった!

自分の失言に気づいた時にはすでに遅く、陽向くんは口に手を当て笑ってる。

「もうそれって、完全に撮ってるってことじゃん! 蒼って嘘つくの下手すぎ。見るからにバレバレだもん」

そう言われて、恥ずかしくなる。

途中までは隠し通せてたはずなのに、バレてただなんて。

「まぁ、そんなところも蒼らしくて可愛いから撮ったの許してあげる」

‥‥‥良かった。

許してくれるんだ。

って、そうじゃなくて!