桜の花びらが降る頃、きみに恋をする


そして迎えた日曜日は、梅雨の時期だということを忘れるぐらい雲一つない晴天だった。

朝から洋服選びに悩んだ末、ライトブルーのロングワンピースに茶色のショルダーバッグを肩にかけた格好をした私。

久しぶりのお出かけで、気持ちが落ち着かない。

それに、陽向くんと休日の日に会うのは初めてで、おまけに私と陽向くんだけとなるとますます落ち着かない。

美菜ちゃんたちがいないから余計に緊張してしまう。

ドキドキそわそわしながら、人通りが多い商店街を歩く。

少し早めに家を出たけど、陽向くんは来てるかな?

辺りをキョロキョロと見渡していると‥‥‥。

「あっ! 蒼!」

こちらに気付き、笑顔で手を振る人物。

「‥‥‥!」

数メートル先には、初めてみる私服姿の陽向くん。

白いシャツに、薄いグレーのチェック柄のボトムスで爽やかな雰囲気。

いつもかっこいいんだけど、ますますかっこよく見える。

って、見惚れてる場合じゃない!

慌てて陽向くんの元へ駆け寄った。

「ご、ごめんね、陽向くん。待たせちゃって」

「ううん! 今さっき来たところだから大丈夫だよ」

緊張してる私とは違って、陽向くんはいつも通り優しく接してくれる。

「っていうか、蒼のそのワンピース似合ってる! 可愛いね」

「ありがとう」

褒めてくれて素直に嬉しい。

陽向くんはにこりと笑う。

「猫カフェ、近くにあるから行こっか」

「うん!」