夏祭りの日。

目の前には、上品な白い浴衣を着て、ストレートな髪を巻いてるし、以前、蒼にプレゼントした星形のヘアピンを耳元につけてる蒼。

ほんと可愛くてとても綺麗な姿。

『陽向も、もの凄くかっこいいよ』

蒼の言葉に、もの凄くドキドキして

『‥‥‥終わって欲しくない。ずっと、このままいれたらいいのに』

花火で照らされる蒼の横顔がとても綺麗で、繋いでいる手を離したくないと思った。

蒼と過ごす日々は、どれも楽しくて笑顔が絶えなかった。

それと同時に、いつになったら蒼はあの日のことを思い出してくれるんだろうって不安も募っていた。

『陽向も1人で抱え込まなくていいんだよ』

蒼や琉輝たちにずっと秘密にしていたこと。

『今度は、私が陽向のこと全部受け止めたい』

蒼の言葉に凄く胸を打たれて、隠していたあの日のことを伝えた。

でも、あの子が蒼だってことはどうしても言えなかった。

『陽向がいてくれて凄く救われたんだよ。だから、陽向が謝ることなんてなにもないよ』

泣き虫だと思っていた蒼の姿はどこにもなくて、いつからか強くて逞しい心を持っていた。

俺の隣で、蒼が笑ってくれる。

きみという存在が、俺にとってかけがえのない存在でとても愛おしい存在。

ずっと、このまま続くと思っていた。

蒼と一緒に過ごせると信じて疑わなかった。

ーー『もう、なにも聞きたくないよ! お願いだから、これ以上私に優しくしないで!』

こんなことになるなんて、思いもしなかった‥‥‥。