桜の花びらが降る頃、きみに恋をする


「あっ、陽向あったよ!」

休日、陽向と約束した日。

最寄りのコンビニで、この前話していた新商品の栗のシュークリームが売ってあった。

「ちょうど残り2個だ。ラッキーだね」

「うん!」

会計を済ませると、陽向のお家にお邪魔することになった。

またもや、勉強会の時と同様で陽向と2人っきり。

両親は仕事だと話してくれた。

会って挨拶したいのに、まだ1回も会えていない。

そんなに忙しい仕事なのかな。

気になって、直接、陽向に聞いてみることにした。

「ねぇ、陽向のご両親ってなにしてる人なの?」

「どうして?」

「ご両親に挨拶したいのに、まだ1回も会えてないからちょっと気になって」

「医療関係だよ。父さんは医者で、母さんは看護師。近くの総合病院で働いてるんだ」

「お医者さんと看護師さんなんだね。凄いな」

関心していると、

「‥‥‥全然凄くなんかないよ」

陽向はなぜか暗い顔をした。