「こうして優乃とゆっくり話せるなら、人が多いほうがいいな。優乃にはもっとわがまま言ってほしい。欲張ってほしい」
こんなに甘やかされたら溶けちゃうよ。
先輩が優しすぎてわたしがだめになっちゃいそう。
「なんでも言って。欲しいもの全部あげるから」
「え、あぅ……」
「その声も顔もかわいすぎ」
頭に乗っていた手がゆっくりと下りてきてわたしの頬に触れる。
伊月先輩の大きな手はわたしの片頬をすっぽり包み込んでしまう。
ドキドキ。
心臓がうるさく音を立てる。
こんなかっこいい先輩に触れられて、見つめられるからドキドキするのかな。
初めて感じる強いドキドキに心臓が爆発しそう。
「せっ、先輩……」
「ん?」
「心臓、壊れちゃう……?」
「…っ、やば」
ドキドキしすぎておかしい。
先輩の顔が近づく。
体が動かない。
周りはたくさんの人の声やアトラクションの音でにぎやかなはずなのに、それ以上にわたしの心臓の音のほうが大きい。
先輩のきれいな顔が近い……。



