「お待たせしました。…って、優乃かよ」
「あ、翔ちゃん。お疲れ」
……は?
優乃を見て癒されてたのに、パンケーキを運んできた声ですぐにイラっとした。
顔を上げれば、マッシュヘアの男。
優乃の幼なじみ。
なんで?
「ここ、翔ちゃんの親戚のお店で、翔ちゃんはこのお店でバイトしてるんです」
おれの疑問が顔に出ていたのか、優乃が説明してくれた。
は、じゃあ優乃は幼なじみのお店におれを連れてきたってこと?
それはどういう意味だ?
普通、男といるのに自分の仲良い、とは思いたくないけどそんな男のバイト先に連れてくるか?
狙ってんのか、なにも考えていないのか。
優乃は後者だろうな。
はぁ……天然ってタチ悪いな。
「本当においしいのでぜひ先輩にも食べてもらいたくて!わたしの好きなものを先輩にも知ってもらいたかったんです」
タチ悪いって、まじで。
そんな純粋な思いで、おれを男の幼なじみの店に連れてくるとか。
うれしいけど、手放しに喜べない。
複雑な感情でモヤモヤする。



