「ここ、本当においしいんですよ」
「そうか」
「なににしよう~。今日はいちごの気分だなぁ。伊月先輩はどうします?」
メニューを見ながらつぶやいている優乃を見つめる。
その視線がおれに向けられた瞬間、心音がひときわ大きくなった。
「優乃のおすすめは?」
「んー、どれもいいですけど、定番のこのふわふわパンケーキですかね。ほんのり甘いホイップに、ほろ苦いカラメルが絶妙です」
「じゃあそれにする」
「え、いいんですか?」
「優乃が好きなのがいいから」
「ふふ、本当においしいですから安心してくださいね」
そう言った優乃は慣れた様子で店員を呼ぶ。
本来ならおれが店を決めて、すべてやってあげるべきだったよな。
と思いつつ、優乃の普段の様子が見れるのがうれしい。
今度はおれがリードする。
そう密かに決めた。
優乃が学校でのことや好きなものの話をして、それをずっと聞く。
楽しそうに話す優乃を見てるだけで幸せな気持ちになる。



