イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。



べつに優乃がそう思っているわけではないけど、友達がそんなふうに見て優乃にその影響がいくなら、車登校くらいやめてやる。

歩くし。おれ、全然歩けるし。



「おれ、優乃と同じ世界にいる。ずっと同じだよ」

「そうですよね。よかったです!ドラマくらいすごい人ですけど、世界は同じですよね!」



笑顔で同意した優乃を抱き締めたい衝動に駆られる。

抱き締めていいか?


いや、抱き締めたらそれだけで済まないな。

いまでもすげぇ我慢してんのに。



「でも、先輩は車でいいんですよ。人それぞれ事情があるのに、わたしすごく失礼なこと言っちゃいました。反省……」



さっきまで笑顔だったのに、すぐにしゅんとなる優乃。

べつに気にしてないのに。
住む世界が違うってのはなんか心臓あたりが変に痛くなったけど。



「いや、歩く。そっちのほうが優乃とゆっくり一緒にいられるだろ」

「へ?」



また無意識のセリフに驚く。

やべぇ。
おれ、こんなこと言うキャラじゃねぇのに。

いままで言ったことないようなセリフが口からポンポン出てくる。


優乃の驚いたような丸い瞳に見つめられ、内心焦りまくってるけど表情には出さない。